これまでの経験や先入観などから、≪怒り≫は『悪い感情』というイメージを持っているのではないかと思います。
喜怒哀楽の『喜』や『楽』と同じように、『怒』『哀』も大切な感情のうちの一つであり、人間にとって自然な感情なので、怒りを感じることは決して悪いことでは無いと思います。ただ≪怒り≫の感情は、とても強いエネルギーを発生しますので、場合によっては自分自身の心や他人の心を傷つける事があったり、時には強力な推進力となり自己実現に力を与えたりする事もあります。
そして、怒りの裏側にある感情は『悲しい』『つらい』『寂しい』『不安』『苦しい』などの一次感情なのです。
こうあってほしいという期待や理想が裏切られ、分かってほしいと思うことが分かってもらえなかったときに≪怒り≫は生まれてきます。
≪怒り≫の感情を正しく理解するために大切なのは、≪怒り≫の裏側にある『悲しい』『つらい』『寂しい』『不安』『苦しい』という感情に目を向ける事だと思います。ダイレクトに≪怒り≫が発生する事は無く他の感情をベースにして発生すると考えます。
例えば、約束を破られた時に「なぜ約束を破るの!?」と感じる事から≪怒り≫が生じるのだと思います。
生じた≪怒り≫の裏側には、約束を破られて『悲しい』『さみしい』という気持ちが必ず潜んでいると思います。
≪怒り≫の強いエネルギーによって、他の感情は隠されているかも知れません・・・
自分の内側にそのような感情があるのならば、「約束を破られて悲しい」「会う約束を楽しみにしていたので、さみしい」と、いう気持ちを言葉にして表現してみてください。
身近な人には、『悲しい』『さみしい』といった気持ちを、素直に言えないこともあると思います。
その場合には、自分自身に対して『悲しい』『さみしい』といった気持ちを感じている事を、素直に認めてあげて下さい。
そして、『本来、分かってほしい気持ちは何なのか』に目を向けて、それを相手に伝えるにはどうしたらいいのかを、素直に落ち着いて考えるようにして行くことが必要であると思っています。
言葉で伝える事が難しいとしても、≪怒り≫とは違う表現方法があるのではないでしょうか?
起こった事に対して最初に感じる『悲しい』『つらい』『寂しい』『不安』『苦しい』という感情を、≪怒り≫とは切り離して表現出来る方法を模索して、怒りの裏側にある『悲しい』『つらい』『寂しい』『不安』『苦しい』というネガティブな感情にどのように対応してゆくのかが大切だと感じます。
とても簡単に表現していますが、≪怒り≫と言う強いエネルギーが発生すると、他の感情は見えなくなると思います。
ゆえに、このプロセスは難しい取り組みであると思います。
しかし、なぜ≪怒り≫の感情が発生するのか理解して頂ければ、≪怒り≫と言う強いエネルギーが落ち着いた後からでも、なぜ≪怒り≫が生じたのか考える時間を作る事が出来る様になると思いますし、取り組んで頂きたいなと思います。
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