近年の脳科学では、脳を超高性能のシミュレーション・マシンだと考えているそうです。
では、脳はどのように「わたし」を生み出しているのでしょうか?
超高性能のシミュレーション・マシンとして脳は「物語」として世界や人生を理解していて、誰もが人生の主役となっています。
これは「きれいごと」ではなく、ヒトの脳がそのように設計されているという生物学的な事実であるそうです。
人生の中で起きる、後悔(過去のシミュレーション)も、希望(未来のシミュレーション)も、「わたし」を主人公とした物語として意識されており、私たちは「物語」以外の方法で、人生を語ることも、世界を理解することもできない仕組みとなっているようです。
人生はロールプレイング・ゲームに似ていると言われておりますが、これはたんなる比喩ではなく、脳があらゆる体験を「物語」として理解しているとすれば当然の事で、よくできたロールプレイング・ゲームは脳の経験に似ているので人気があるのだと言えるのだと思います。
脳内の認識として、「幸福」と「不幸」は次のように認識されているようです。
幸福とは、自分の人生を「よい物語」として(自分や他人に)語れること。
不幸とは、人生という「物語」が破綻してしまうこと。
成功とは、よい物語をつくれるような人生を設計することと捉えているようです。
ロールプレイング・ゲームの楽しさは、低いステイタスを努力や工夫によってすこしずつ上げていく経験であり、うまくいったと思ったら大きな失敗があり、それを乗り越えるとより大きな成功が手に入るというドキドキ感にあります。
人生もこれと同じで、貧しい家庭に生まれ、差別と戦いながら大きな成功を手にしたり。
あるいは、裕福な家で生まれ育っても、親が破産したとかでどん底に落ちたあと、自分のちからで社会的・経済的な地位をつかむこと。
こうした「波乱万丈」があると、人生の幸福度は高くなって行くと考えられているようです。
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